シン・レンタルサーバーとエックスサーバー
シン・レンタルサーバーとXServer(エックスサーバー)は、いずれもエックスサーバー株式会社が提供するレンタルサーバーです。
(シン・レンタルサーバーの旧サービス名は、wpXシン・レンタルサーバーです)
公式では、革新性と安定性という言葉でそれぞれの性格を言い表しています。
シン・レンタルサーバーは2021年5月にスタートした、まだ新しいサービスです。一方でエックスサーバーは2003年からと歴史があります。
シン・レンタルサーバーは新機能の迅速な実装を目指す一方で、エックスサーバーでは、新機能の採用は膨大な検証データを元に慎重に導入が検討されます。
シン・レンタルサーバー = 速度
XServer(エックスサーバー) = 安定、信頼性
という住み分けですね。今回は、この両者の違いを検証していきます。
シン・レンタルサーバーとは
シン・レンタルサーバーは、2021年5月に運用が開始された、エックスサーバーの中で最も表示速度の速いサービスです。
プライム・ストラテジー株式会社が提供するwordpress高速化技術、KUSANAGI(くさなぎ)を搭載しています。
これまでエックスサーバーは、高速なサービスを目指して、【エックスサーバー ➡️ wpX Speed ➡︎ シン・レンタルサーバー】とリリースしてきました。
また、エックスサーバーに比べて少し安めに設定された料金(770円から)もポイントです。
エックスサーバーが提供する主なサービス
エックスサーバーが提供するレンタルサーバーは、主にこの3サービスです。それぞれの機能や料金体系などを比較していきます。
シン・レンタルサーバー
シン・レンタルサーバーはエックスサーバーの技術をベースに、wordpress高速化技術であるKUSANAGI(くさなぎ)を搭載。
ストレージ(SSD)はオールNVMe RAID10構成で、スピードの速さや対障害性能の高さを持たせています。
RAID10…バックアップ体制の用語。RAID1、RAID2など末尾の数値によってバックアップ方法が変わる。
RAID10は、負荷を分散して高速にアクセスすることができる「ストライピング」と、サーバーのデータを丸ごと2つにコピーして保存する「ミラーリング」を組み合わせたバックアップ方法のこと。
エックスサーバー株式会社が実施したテストでは、全レンタルサーバーのサービスのうち、最速の表示速度を記録しています。
さらに、1ユーザー当たりのCPU/メモリリソースの割り当てが厳格に設定されており、他ユーザーの使用状況に影響されることがありません。アクセスが集中したときにも常に安定したサービスを利用することが出来ます。
これはXServer(エックスサーバー)にはない機能です。
シン・レンタルサーバーで提供されている技術は以下のようなものがあります。
- オールNVMe RAID10
-
「KUSANAGI」の高速化技術
-
Xアクセラレータ Ver.2
-
第3世代「AMD EPYCTM」採用
-
128コアvCPU&1TBメモリ
-
nginx(エンジンエックス)採用
-
国内最大級のバックボーン回線に10Gbpsで直結
- WAF(ウェブアプリケーションファイヤーウォール)搭載
-
Web・メールデータ・MySQL自動バックアップ
- 独自ドメイン永久無料(11種)
- 独自ドメイン1年無料特典(16種)
- 電話・メールサポート
- セコムセキュリティ診断
シン・レンタルサーバーの詳細については、以下の記事でご紹介しています。
他社のサービスに比べた際の優位点や、エックスサーバーが提供する他のサービス(wpX Blog)などとの違いも開設しています。
機能やスペックなども表にしてまとめましたのでぜひご覧ください。
wpX Speed
wpX Speedは、wordpress専用クラウド型レンタルサーバーで、2019年9月にサービスをスタートしました。
シン・レンタルサーバーや、XServer(エックスサーバー)との最大の違いは、「wordpress専用レンタルサーバー」である点です。
シン・レンタルサーバーと同じくオールNVMe RAID10構成で、高速な読み書きを実現。従来のオールSSDやピュアSSDと呼ばれる環境との比較では、およそ16倍もの高速化を実現。
1ユーザー当たりのCPU/メモリリソースの割り当てが確保される仕組みとなっており、高負荷時にも高速性が損なわれないようにチューニングされています。
また、wpX Speedだけの機能として、「オートスケール機能」が搭載されています。
これは、アクセスが集中するなどしてサーバーに負担がかかった際に、リソースの多いプランへ自動で変更されて、安定した動作を続けてくれる仕組みです。(動作の範囲は予算に合わせて事前に設定可能)
突然のアクセス増を見込める場合でも、サーバーダウンによる機会損失を防ぐことが出来ます。よりプロフェッショナル思考の強いサービスと言えるでしょう。
- オールNVMe RAID10
- 負荷に応じてプランを自動変更するオートスケール
- アカウントごとにCPU・メモリリソースの割り当てを確保
- WAF(ウェブアプリケーションファイヤーウォール)設定機能
また、料金プランが上限ありの従量課金制となっている点【2.2円/時(税込)】も他のサービスとの大きな違いです。
一方で、月額料金の上限値については、他のサービスの月額料金より少し高く、最大1,320円(税込)/月となっています。
プランごとに上限金額が設けられているのでその点は安心ですが、シン・レンタルサーバーの月額770円に比べるとやや高いと言えます。
XServer(エックスサーバー)
XServer(エックスサーバー)は、エックスサーバー株式会社が提供するレンタルサーバーサービスの中でもっともスタンダードなサービスです。
国内シェアNo1(※)で18年以上の運営実績を持ち、安心して利用することが出来ます。
シン・レンタルサーバー = 速度
XServer(エックスサーバー) = 安定、信頼性
ということで、革新的な技術はまずシン・レンタルサーバーへ先に搭載されて、十分以上の実績を積んでからXServer(エックスサーバー)へ搭載されるという流れです。
つまり、XServer(エックスサーバー)は信頼の積み重ねが十分以上になされており、信頼性に重きを置いて運用されていることがわかります。
とはいえ、オールNVMe RAID10や、AMDの最新CPUである第3世代「AMD EPYC」を搭載、128コアCPU
&1TBメモリなどその進化に抜かりはありません。
半年〜1年ぐらいのペースでどんどん新しい仕様にアップデートされ続けています。
エックスサーバー に搭載された主な機能は以下。
- NVMe RAID10構成
- 128コアCPU & 1TBメモリ
- nginx(大量同時アクセスへの最適化処理)
- Xアクセラレータ(サイト表示を高速化)
- 無料独自SSL
- FastCGI・HTTP/2
- WAF(ウェブアプリケーションファイヤーウォール)設定機能
運用実績は200万件以上と多いため、困った時のノウハウがネットで得られやすいのもオススメ出来るポイントです。
私の周りにいるブロガー、アフィリエイターも、エックスサーバーは1件以上の契約を持っていることが多いですね。
人気の秘密は、やはり表示の安定性・速度にあるでしょう。さらに、管理パネルの使い勝手の良さなども評価されています。
レンタルサーバー選びに迷ったらXServer(エックスサーバー)ですね。
料金は、もっとも安いX10(容量300GB)で月額990円(税込)と、シン・レンタルサーバーに比べるとやや高めの設定です。
wordpress簡単インストール機能付き
今回ご紹介した全てのサービスに、wordpress簡単インストール機能が付いています。ほぼワンクリックでwordpressのインストールが完了するというものです。
また、wordpress簡単移行と言って、他社レンタルサーバーからの引っ越しを支援するサービスもあり、wordpressブロガーの利便性が非常に高いサービスとなっています。
エックスサーバーの料金比較
さて、ここで改めて、今回ご紹介した3つのサービスについて料金面や容量など、契約時にわかると嬉しい項目を比較していきます。
プラン&料金
まずは料金から。
プラン | 月額料金 | 初期費用 | |
シン・レンタルサーバー | ベーシック | 月額770円~(※) | 無料 |
XServer(エックスサーバー) | スタンダード | 月額 990円~ |
3,300円 |
wpX Speed |
W1
|
2.2円/時(税込) 最大
1,320円(税込)/月
|
無料
|
※半額キャッシュバックキャンペーン実施中で実質月額385円
料金面では、シン・レンタルサーバーのベーシックプランが最も安価に利用することが出来ます。
XServer(エックスサーバー)は初期費用が少しかさむのがウィークポイントですね。とはいえ、初期費用無料キャンペーンを実施していることもよくあります。
容量
プラン | 容量 | |
シン・レンタルサーバー | ベーシック | 300GB (400GB/500GB/600GB) |
XServer(エックスサーバー) | スタンダード | 300GB (400GB/500GB) |
wpX Speed | W1 | 200GB (300GB/400GB/1TB) |
※カッコ内は上位プランの容量。
容量は、一番下のプラン同士を比較するとシン・レンタルサーバーとXServer(エックスサーバー)が300GBで同じ。wpX Speedはやや劣る200GBとなっています。
wpX Speedには1TBを誇る上位プランが用意されていますが、個人メディアで1TBもの容量が必要なケースは稀で、こちらは業務用に用意されたプランですね。
個人的な実感としては、8年ほどブログ運営している別ブログでやっと20〜30GBに届くかどうかといったところですので、いずれも十分以上の容量と言えるでしょう。
料金そして容量を見てみると、シン・レンタルサーバーが優れたサービスであることがわかります。
目的別の選び方
料金や容量で選ぶとシン・レンタルサーバーが有利ですが、レンタルサーバーを借りるときは、それが全てではありません。
ここでは目的別に、それぞれ最適なサービスを考えていきます。
wordpressの表示スピード重視
wordpressの表示速度で選ぶなら、シン・レンタルサーバーもしくはwpX Speedがオススメです。いずれも、処理速度の速さをウリにしているレンタルサーバーだからです。
また、エックスサーバー公式のアナウンスでも、シン・レンタルサーバーが最も速い、というアナウンスがあるためです。
CMS(コンテンツマネジメントシステム)を高速表示するためのKUSANAGI(くさなぎ)を搭載していることで高速表示を実現しています。
wordpressテーマやプラグインへの対応度
wordpressテーマやプラグインの対応度、そしてアップデートの際の安全性について考慮するならば、最もベーシックなXServer(エックスサーバー)が最適です。
新しい技術を採用したシン・レンタルサーバーは対応が狭まっている可能性がゼロではないからです。
しかし、シン・レンタルサーバーのベースとなっているのはXServer(エックスサーバー)ですので、基本的には不具合などは起こりにくいはずです。
料金が安く、高性能
リーズナブルなプライスと、高性能を両立しているのはシン・レンタルサーバーという結果になりました。
月額料金だけでなく、初期費用が無料なのも嬉しいポイントです。
性能(速度面)でも、エックスサーバー公式のお墨付きとなります。
結論:最もオススメなのはシン・レンタルサーバー
料金や容量、wordpressへの適応性、表示速度の速さなど総合的に見て、最終的な結論としてはシン・レンタルサーバーがオススメです。
「革新性」という言葉通り、最速のスピードを誇りつつ、料金が安いという相反したサービスを高次元で提供しているレンタルサーバーです。
一方で、標準のXServer(エックスサーバー)についても、十分以上の検証に基づいた機能のみを慎重に導入しているという点で、信頼度の部分では一番です。
うまく住み分けができている印象ですね。
シン・レンタルサーバーは心からオススメできる
以上、エックスサーバー株式会社が提供する3つのサービス(シン・レンタルサーバー、エックスサーバー、wpX Speed)の比較についてでした。
様々な角度から検証した結果、私が強くオススメするのは、シン・レンタルサーバーです。
XServer(エックスサーバー)や他社のレンタルサーバーを借りている方も、ぜひシン・レンタルサーバーと、導入されている高速化技術「KUSANAGI(くさなぎ)」の速度の速さを実感してみてください。
シン・レンタルサーバー関連の記事一覧
当ブログでは、シン・レンタルサーバーに関する記事を特集しています。実際にシン・レンタルサーバーを契約して得られた知識をベースに記事を執筆しています。
レンタルサーバー選びの一助になれば幸いです。