Laravelが使用可能なレンタルサーバー
Laravelとは
Laravelは、プログラミング言語であるPHPのためのWebアプリケーションフレームワークです。
2011年にリリースされた比較的新しいフレームワークですが、PHPにおけるフレームワークの中では世界的に普及率が高くなっています。
※フレームワークというのは、簡単なコードでWebアプリケーションの開発をするための道具です。
動的なウェブサイト、Webアプリケーション、Webサービスの開発をサポートするために設計されたアプリケーションフレームワークのこと。
アプリを作成するのに必要な機能や構造がひとつにまとまったもので、オープンソース(無償で一般公開)されており誰でも利用することが可能です。
フレームワークを使えば、開発者は必要最低限のプログラムを書くだけになり、開発者の負担を大きく減らしてくれます。
PHPは、数あるプログラム言語の中でも「Web開発」に特化しているのが特徴です。テキストベースで簡単に開発が可能なため、IT初心者の方でも扱いやすい言語として人気です。
とくにPHPは、「動的なWebページ(アクセスした状況により異なる情報を表示するWebページ)」の作成に最適で、ECサイトやSNSなどの設計に多く使われています。
この記事では、
- Laravelが使用できるサーバーの種類・特徴
- オススメのVPS・クラウドサーバー
Laravelで構築したWebアプリケーションをデプロイすることが出来るレンタルサーバーをご紹介しています。
Laravelをデプロイ可能なサーバーの種類
- Paas
- Iaas
- VPS
Laravelで作ったアプリをデプロイ(公開)することが出来るサーバーの種類は、上記の3つとなります。
それぞれ解説していきます。
Paasとは
出典:softbank
PaaSは「Platform as a Service」の略で、パースと読みます。クラウドにあるプラットフォームを利用することができるサービスの総称です。
「プラットフォーム」は具体的にはネットワーク、サーバシステム、OSやミドルウェアなどのことです。
そのプラットフォーム上で開発を行うことができるため、開発者は、一から開発環境を用意する必要がなく、プログラミングなどの業務に専念することができます。
自分でサーバーの構築や保守をする必要がないため、インフラやサーバーの知識がなくても、比較的簡単にWebサービスを公開することができます。
そのため、非エンジニアや初心者にもオススメできます。
ただし本格的な運用をする場合、料金が跳ね上がるケースもあるため注意が必要です。
Paasのサービス例として、Herokuなどが該当します。
Iaasとは
IaaSは「Infrastructure as a Service」の略でイアース/アイアースと読みます。
アプリケーションを利用する環境も含めて一括で提供するPaaSとは違って、IaaSはサーバーやストレージ、ネットワークなどのハードウェアやインフラまでを提供するサービスです。
ミドルウェアやOSなどを自分で選択してインストールする必要があります。自由度が高いというメリットはありますが、専門知識が求められるため難易度は高めです。
Iaasのサービスの例として、レンタルサーバー『ロリポップ!』が提供する 『LOLIPOP!マネージドクラウド』や、富士通クラウドテクノロジーズが提供するVMware基盤とした『ニフクラ』も数あるIaaSの中の1つです。
VPSとは
VPSは「Virtual Private Server」の略でブイピーエスと読みます。サーバーの一部を借りて、自由に構築できるサービスです。
物理サーバー機にインストールされたOS(ホストOS)上に、各ユーザー用の仮想的なサーバーが立てられます。ユーザーはその仮想サーバーをまるごと占有することができます。
仮想サーバーにはホストOSとは別のOS(ゲストOS)がインストールされており、ユーザーが管理者権限を付与されて、自由に操作することが可能です。
自由度は高いのですが、サーバーを自分で構築したり、メンテナンスする技術や知識が必要となります。
主なVPS型サービスとして「さくらのVPS」、「ConoHa VPS」、「KAGOYA CLOUD」があげられます。
オススメのクラウド/VPSサーバー
Laravelで作ったアプリをデプロイ(公開)することが出来るサーバーの種類について説明しました。
ここでは、実際にそれらのサービスを提供しているレンタルサーバーについてご紹介していきます。
現在、Laravelをインストール可能なレンタルサーバー(共用サーバー)は国内にはありませんでした。
ですので、クラウド・VPS型のレンタルサーバーを借りる必要があるでしょう。
通常のレンタルサーバーと、クラウド・VPS型のレンタルサーバーの違いについては以下にまとめています。
レンタルサーバーとクラウド・VPSサーバーの違いは?
レンタルサーバー(共用サーバー)とは
レンタルサーバーはメール、Web、DBなどのアプリケーション(機能)を、OSの管理等を行わずに気軽に利用できるサービスです。ただし、利用できるのはベンダーから提供される機能に限定されます。
「共用サーバー」と呼ばれており、物理的な1台のサーバーを複数ユーザーがまとまって利用する仕組みで、他のユーザーの影響を受けやすいデメリットがあります。
身近なもので例を挙げるとシェアハウスのようなイメージです。
クラウド・VPSサーバーとは
一方でクラウド・VPSサーバーは、複数ユーザーがリソースを共有している点はレンタルサーバーと同様ですが、1台の物理サーバー内に、契約者ごとに独立した専用サーバーを仮想的に構築するため、レンタルサーバーよりも他ユーザーの影響を受けにくい作りです。
VPSは管理者権限を渡されているためOSを管理する必要があります。その代わり、アプリケーション・OSについても選択できるため、非常に自由度が高いです。
Heroku
HerokuはPaasの一種で、Webサービスを公開するために必要なものを全て、予め用意してくれるサービスです。
- サーバー
- OS
- データベース
- プログラミング言語の実行に必要な環境
これらをボタン一つで環境構築することができます。
本来Webサービスを公開するためには、サービスの開発以外にも上記の準備をしなければいけませんが、それを肩代わりしてくれるのが、「Heroku」です。
Herokuを使えば、開発したWEBアプリケーションをgitを使って簡単にデプロイすることができます。10分程度で全世界に公開できて、そのままサービスを本格的に運用することもさえ可能です。
基本的には、Herokuは1サービスであれば無料で利用できます。ただし無料プランの場合、サーバの性能が低いためWebサービスの挙動が遅くなる可能性があります。
また、無料の場合には他にも様々な制約がありますが、課金をしてより便利に利用することも可能。
料金は、最安のもので月に7ドル(約700 ~ 800円程度)となっています。
オススメポイント
- 開発者の運用負荷を下げてくれてる
- ハードウェアの選定、構築、維持保守を丸投げできる
- 対応しているプログラミング言語が多い
- 無料枠で手軽に試せる
デメリット
- 無料枠だと制限が多い
- サーバーが海外にあり、応答速度に難あり
ロリポップ! マネージドクラウド
ロリポップ!マネージドクラウドは、一部上場企業のGMOグループ、GMOペパボ※が運営するクラウドサービスで、IaaSのような使い方をすることができます。
最大の特徴は、VPS/クラウドの拡張性・自由度の高さとレンタルサーバー(共用サーバー)の手軽さを兼ね備えたサービスである点です。
環境構築はテンプレート機能があり、様々な言語やアプリケーション環境をクリックするだけで構築できます。
アクセス集中時にサーバーを自動的に拡張してくれる「オートスケール機能」があるから、バズっても安心。サイトを落としません。
料金プランは、上限を決められる「基本料+従量課金」システムを採用。アクセスが多い時はしっかり支えて、少ない時は低価格で運用できるので安心です。
10日間のお試し期間も用意されているので、まずは気軽に試してみてはいかがでしょうか。
オススメポイント
- ワンクリックでRubyonRailsやWordpressのフレームワークをセットアップできる
- 様々なプログラミング言語に対応
- オートスケール機能がとても便利
- 上限ありの料金が明確
- お試し期間あり
デメリット
- マニュアルやチュートリアルが少ない
さくらのVPS
さくらのVPSは、レンタルサーバー老舗のさくらインターネットが運営する仮想専用サーバーです。運営歴が長いさくらインターネットなので、しっかり維持されている信頼性の高いサービスです。
VPSサービスの一種ではありますが、CPU/メモリ/ディスク等のハードウェアを管理せずに利用できるサービスであるため、IaaS的な使い方をすることが可能です。
料金体系は、月額固定料金で始められるため安心感があります。月額643円〜、初期費用0円とコストパフォーマンスも高く、気軽に借りることができます。
さくらのVPSを使いこなすにはWebアプリケーションを公開するための設定が必要です。
そのため、サーバー構築の知識があって、Webアプリケーションを公開してみたい人に向いています。
サーバーのスペックが足りなくなった場合、上位プランへの移行である「スケールアップ」機能を利用することで対応することができます。(ただし、スケールダウンができない)
データセンターの場所を石狩、大阪、東京の3箇所から選べるのもユニークですね。
2週間お試し期間が用意されているので、気軽に試してみることができますよ。
オススメポイント
- 運営企業の歴史が古く、信頼性が高い
- 月額固定料金で安心して使える
- メールサポートが受けられる
- 豊富なプランから選べる
デメリット
- スケールアップはできるが、スケールダウンができない
ConoHa VPS
ConoHa VPSは、一部上場企業であるGMOが運営するVPSサービス(仮想専用サーバー)です。
豊富なテンプレートイメージと高速SSDによって、たったの25秒で「今すぐ使える」サーバーが作れます。
初期費用なし、月額682円から使えるコスパの良さも魅力。
料金は改定されることも多いため、最新の情報を公式ページでチェックしてください。
■ConoHa VPS
⇒https://www.conoha.jp/
ConoHa VPSは、日本マーケティングリサーチ機構(JMR)による調査で「ITエンジニアが使いたいVPS」「WordPress「KUSANAGI」利用者満足度」「Minecraftマルチプレイ利用者満足度」の3部門においてNo.1を獲得しています。
第3者機関から評価されている、信頼性が高いサービスであることがわかります。
サーバーを追加する際に、サービスに合わせたテンプレートを選択することで、サーバー作成と同時にOSのインストールやアプリケーションサーバーの構築が完了するため、PaaS的なイメージで使うことが可能です。
一方で、Webアプリケーションを公開するまでの設定は必要になりますので、サーバー構築のノウハウがあって、Webアプリケーションを公開してみたいユーザーに最適です。
ConoHa VPSを3ヶ月以上ご利用の場合、おトクな長期利用割引きっぷが用意されています。きっぷの有効期間が長ければ長いほど割引率がアップし、よりおトクにConoHa VPSを利用できます。
オススメポイント
- OSやアプリケーションサーバの設定が楽
- UIがキレイでわかりやすい
- SSD標準で超高速
- 初期費用無料
デメリット
- 試用期間がない
KAGOYA CLOUD VPS
「KAGOYA CLOUD VPS」は、カゴヤ・ジャパンが運営する高品質のVPS(仮想専用サーバー)です。
カゴヤ・ジャパンは1998年からISPサービスの提供を開始した老舗のレンタルサーバー会社です。自社でデータセンターを持っていたり、リスク対策が充実しているため、安定性・信頼性に長けたサービスを展開しています。
「KAGOYA CLOUD VPS」は10年以上の運営実績があり、安定性も高くビジネス用途で選ばれることも多いですね。
初期費用無料、日額料金20円から使える低価格となっており、月額上限料金も定められているためコスト計算がしやすい契約体系です。
電話サポートもついているため、安心して利用することができます。
さまざまなOSのテンプレートを用意しているので、希望の環境を簡単に構築することができます。
※「KAGOYA CLOUD Iaas」と呼ばれるIaasサービスもスタートしています。Iaasだけのサービスとして、サーバーとディスクを自由に組み合わせることができて、柔軟なスペック変更をすることができます。
オススメポイント
- 全プラン初期費用無料で月額円~から利用可能。(日額20円~)
- アプリケーションパックで簡単初期設定
- いつでもスケールアップ可能
- 365日電話・メールサポート
- 安定の稼働率99.999%
デメリット
- お試し期間がない
AWS
AWS(Amazon Web Service)は、Amazonが提供するクラウドサーバー環境です。ビジネスユースでの利用者が多く、知見が溜まっているため困った時に調べ物がしやすいのがメリット。
従量課金制で、少しスケールアップすると料金が高くつくのがウィークポイントです。
使った分だけ課金されるため、柔軟性にすぐれた料金体系ですが、一方で意図しないところで多く使っていた場合、青天井で課金されてしまう可能性があります。
アクセス数や料金をチェックしながら、スケールアップのタイミング設定や、料金上限の通知アラートを実施する必要があるため、少し手間がかかります。
ビジネスで使用したことがあるのですが「やや上級者向けのサービス」という印象ですね。
オススメポイント
- 柔軟な設定ができて、拡張性が高い
- ビジネスユースの利用者が多い
- インフラレベルの安心感
- 初期費用が無料
デメリット
- 上級者向けである
Laravel向けVPSサーバーオススメ
Laravelで構築したWebアプリケーションをデプロイするサーバーについてでした。
一般的な共用レンタルサーバーと違って、VPS(仮想専用サーバー)ではWebアプリケーションを公開するための知識が必要です。
今回ご紹介した中で、専門的な知識がもっとも少なくて済むのは、Laravelのコンテナテンプレートが用意されており、簡単にデプロイすることが可能なConoHa VPSです。
次いで、さくらのVPSやロリポップ! マネージドクラウドとなっています。
独自ドメインのオススメ
今回おすすめしたレンタルサーバーの申し込みと同時に、独自ドメインの取得も必要となってきます。
以下、オススメのドメイン会社です。合わせて、ご利用してみてください。